第二章
「ふたりの歴史、
これから」篇
付き合ってた頃から、二人でよく出かけた。
今回は歴史や文化が息づく大人な町、犬山へ。
今までとは違う楽しさが、ここでは味わえそうだ。
付き合ってた頃から、
二人でよく出かけた。
今回は歴史や文化が息づく
大人な町、犬山へ。
今までとは違う楽しさが、
ここでは味わえそうだ。
旧堀部家住宅
「ふたりの歴史は、
まだまだこれから。」付き合ってた頃から、ふたりでいろんなところへ出かけた。久しぶりの旅は、国宝が2つもあるという犬山へ。何百年とつづく建物や文化が、私たちには新鮮。毎日一緒にいる彼が、提灯づくりで見せた表情もどこか新鮮だった。私の宝物は、すぐ隣にあったんだ。
犬山城下町
「刻一刻と、何百年と
変わらない姿へ。」いつの間にか、夕陽が犬山城を照らしていた。電気が消えて看板が見えなくなると、今度は趣のある町並みがくっきりと見えてくる。ここは、江戸時代からの町割りがそのまま残る城下町。「江戸時代ってこんな感じだったのかな」なんて彼は⾔いながら、いつもより少しだけゆっくりと歩いた。
日本庭園 有楽苑「元庵」
「何もしなくても思い出になる。
そんな場所がありました。」日本庭園 有楽苑の中に、その場所はあった。丁寧に敷かれた飛び石を渡って、木々の間を進む。「元庵」と書かれた茶室の縁側に腰を下ろし、ただのんびりと他愛もない話をする。温かい光とやわらかい風を感じながら、しばし何もしない時間を楽しもう。