名古屋鉄道

おかげさまで、名鉄120年

120年の軌跡

Vol.2 大正3(1914)年~昭和8(1933)年

市内線の譲渡と名古屋鉄道の設立

創業以来、市内線の拡充を進めてきた名古屋電気鉄道だが、運賃制度に対する市民の批判、電車焼討ち事件や那古野車庫の全焼など、苦難の時代が続いた。こうしたなか、他の大都市における市内電車の市営化の流れを踏まえ、大正10年6月13日に郊外線を引き継ぐ新会社「名古屋鉄道(株)」の設立を決定し、市内線を名古屋市に譲渡することとなった。当社は、この日を創業記念日としている。
一方、愛知電気鉄道は、昭和2年に<神宮前~吉田(現在の豊橋)>間を開通。三河鉄道や西尾鉄道、竹鼻鉄道、各務原鉄道などの私鉄各社もつぎつぎと路線を開業・延伸していった。尾張北部への路線展開を進めていた名古屋鉄道は、昭和5年に、岐阜市を中心に路線網を広げていた美濃電気軌道と合併し、社名を名岐鉄道とした。

また、この頃にはバス事業が急速に普及し始めた。
名古屋鉄道は、昭和3年に<ライン遊園~北陽館前>間に最初の直営バスを開業。当時人気のあった「日本ライン下り」の観光客輸送を目的とし、ライン遊園駅(現在の可児川駅)と船着場がある北陽館前(旧江陵閣付近)間を結ぶ1.5kmの路線であった。他の鉄道会社も次々にバス事業に進出し、過当競争時代を迎えたが、昭和8年の自動車交通事業法施行によって新規複数事業者の参入が抑制され、過当競争は沈静化することとなった。

  当社関係の動き 国内外の動き
大3(1914)年 津島線 枇杷島橋~新津島間開通/電車焼討ち事件発生/三河鉄道 刈谷新~大浜港間開通/西尾鉄道 西尾~港前間開通 第一次世界大戦勃発
大4(1915)年    
大5(1916)年    
大6(1917)年    
大7(1918)年   米騒動勃発
大8(1919)年 熱田電気軌道合併/竹鼻鉄道設立 地方鉄道法施行
大9(1920)年 那古野車庫全焼 株式・米・生糸などの市場が暴落
大10(1921)年 名古屋鉄道設立/名古屋電気鉄道の地方鉄道部の事業譲受 軌道法公布
大11(1922)年 愛知電気鉄道が東海道電気鉄道合併/名古屋市へ市内線を譲渡 ソビエト社会主義共和国連邦成立
大12(1923)年 蘇東電気軌道合併/愛知電気鉄道 神宮前~東岡崎間全通 関東大震災発生
大13(1924)年 谷汲鉄道、各務原鉄道設立  
大14(1925)年 犬山遊園地開園/尾西鉄道の鉄道事業譲受/碧海電気鉄道設立 東京・名古屋でラジオ本放送開始
昭元(1926)年 愛知電気鉄道が西尾鉄道合併/尾北鉄道設立/東美鉄道設立 大正天皇崩御 昭和と改元
昭2(1927)年 愛知電気鉄道神宮前~吉田(現在の豊橋)間開通/知多鉄道設立/城北電気鉄道設立 金融恐慌始まる/日本で最初の地下鉄(上野~浅草間)開通
昭3(1928)年 押切町~新一宮間全通/ライン遊園~北陽館前間でバス路線を開通  
昭4(1929)年 城北電気鉄道と尾北鉄道の事業継承 ニューヨーク株式暴落 世界恐慌始まる
昭5(1930)年 美濃電気軌道と合併し、社名を名岐鉄道と改称 名古屋市営バス開業
昭6(1931)年 知多鉄道 太田川~成岩間開通  
昭7(1932)年 高山線直通列車運転開始  
昭8(1933)年   自動車交通事業法施行
  • 明治27(1894)年~大正2(1913)年
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  • 昭和29(1954)年~昭和48(1973)年
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