積み重ねてきた時間を
全身に感じながら、
国宝 犬山城を歩く。

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今日は、犬山城をぶらり。城下町の賑わいを抜けると、天守へ向かう道がゆるやかに続いています。おすすめは三光稲荷神社を通り抜けるルート。ハートの絵馬やおみくじを横目に、少し息を切らして坂をのぼると、日常の気配が少しずつ遠のいていきます。多くの人が「城」と聞いて思い浮かべるのは、あの白い天守かもしれません。けれど本当は、ふもとからすでに城の敷地。石垣や門へ続く道も、その一部なんです。そう思うと、坂道から景色が違って見えてきます。

犬山城をめぐる戦国武士の目線でめぐる、
国宝 犬山城。

犬山城のおすすめの巡り方は、“戦国武士の気持ちになってみること”。そう教えてもらい、まずは攻める側の視点で城へ向かいます。

石段をあがり、見上げる天守。いざ近づいてみると、思った以上に四方が開けていることに気づきます。かつては門や櫓が配置され、幾重にも守りが張り巡らされていたはず。「あそこから狙われているかもしれない」「ここへ来るまでに何度仕留められたのだろう」そんな想像をしながら天守へと歩みを進めます。

守る側の視点に立つと
見えてくる、城の本質。

天守に入ると、すぐに階段が現れます。のぼり切った先にあるのは、武骨な石垣が見られる穴倉。そしてその先の階段は、さきほどの階段と直角に折れた位置にあります。これは、侵入してきた敵を横から狙うための工夫だといわれているのだとか。角の位置に立つと、たしかに射線が通っているのがわかりました。

天守内に色濃く刻まれている、歴史の緊迫感も見どころです。たとえば、穴倉からの階段を登ってすぐ正面にある三本の柱。よく見ると、それぞれ削り方が異なっているのが見比べられます。また梁や柱のなかには、丸みや虫食いの跡が残るものも。本来なら木の表面を削り落として強度の高い部分だけを使うはずですが、それがそのまま使われている。これらは美しさよりも速さを優先した証です。城は時間をかけて築くものではありません。敵に気づかれる前に、いかに機能的に、いかに迅速に築けるか。その緊張感が柱一本からも伝わってきて、思わず足を止めて見入ってしまいます。

もうひとつ階段をのぼると現れるのが「武具の間」。武器・武具庫として使われていた部屋で、この間を囲む廊下は幅が広く、天井も高い造りになっています。長い槍を持った兵が何人も走り回ってもぶつからないほどの空間。今は何もないはずなのに、足音や掛け声が響いてきそうな、当時の様子が目に浮かびます。

最後は、お殿様気分で
天守最上階へ。

いよいよ最上階へ。外に出ると、廻り縁から360度の景色が見渡せます。背後には雄大な木曽川。遠くには濃尾平野が続き、天気が良ければ名古屋方面まで望めます。川を制するものは、天下を制す。そんな言葉が浮かぶほどこの立地は圧倒的です。心地よい風に吹かれながら、しばしその景色を味わいます。

木曽川河畔から眺める犬山城水面にうつる犬山城が、
やわらかな余韻を残す。

帰り道、近くの木曽川河畔を歩きながら犬山城を眺めます。凛として佇む姿や水辺を気持ちよさそうに泳ぐ鳥たちを横目に歩いていると、何気ない会話がいつのまにか深い話へ。そして少しずつ色が深まる空に浮かぶ、犬山城のいっそう雄大な姿。今日一日の思い出が、やわらかな余韻となって胸の奥に残りました。

これが、私にとっての
「大人アガルひととき」。

石段を踏みしめたり、木の柱に触れたりして長い歴史を全身で感じる。ひととおり見て城の外に出たとき、この場所で積み重ねられてきた時間が、自分の中にすっと入り込んできたような気がしました。大げさな感動ではなく、気持ちの奥が少しだけ持ち上げられたような感覚。これが、私にとっての「大人アガルひととき」でした。

今回訪れた場所

国宝 犬山城国宝天守をもつ犬山城。城内には、戦国の時代を生きた人々の姿を想像させる痕跡が残ります。最上階からはまちを一望でき、この城が見守ってきた歴史の長さを感じられるはず。木曽川のほとりから見上げる天守の姿も印象的です。

住所:
〒484-0082
愛知県犬山市犬山北古券65-2
創建:
1537年
公式サイト
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その他の
大人アガルひととき
自分の手で伝統に触れ、味わう。
犬山の暮らしが息づく文化体験。

歴史を重ねてきた空間に身を置き、手を動かすほどに心が澄みわたる。いつのまにか肩の力もほどけ、自分の内側と向き合う時間へと導かれます。

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