名古屋鉄道 - MEITETSU サステナビリティ

環境保全の取り組み

カーボンニュートラルに向けた取り組み

電車の運転電力原単位の向上(名古屋鉄道)

当社では、電車をなるべく少ない電力で運行ができるよう、乗務員の節電運転研究や部署ごとの省エネ活動組織(運輸エネルギー部会)での取り組みのほか、車両自体の省エネルギー化の推進や電気設備の改良を行い、原単位の向上に努めています。
2023年度は、適切なホーム活動、案内・誘導による定時運転の確保、節電を意識した運転操作を行うとともに、年間を通し、こまめな車内空調の取り扱いを実施しました。これらの取り組みに加えて、車両の省エネルギー化を進め、運転電力原単位の向上に努めました。


車両の省エネルギー化(名古屋鉄道)

当社では、従来型車両の計画的な更新を進めています。ブレーキ時にモーターを発電機として作用させて生み出した電力を架線に戻し、ほかの電車がその電力を使えるようにする「電力回生ブレーキシステム」や、架線から受ける直流電流を交流に変換し、効率よく電力使用ができる「VVVFインバータ制御」機能を搭載した省エネ車両への更新により、消費電力の削減を図っています。
2023年度は既存車両30両を廃車し、VVVFインバータ制御機能を搭載した車両を18両新造しました。


電気自動車の導入

●EVバスの導入(名鉄バス)

名鉄バスは、環境への負担軽減や騒音・排気ガス抑制を狙い、電気自動車(EV)バスを導入しています。2023年3月に小型EVバス(定員36人)を1台導入したのを皮切りに、2024年8月時点で大型EVバス(定員80人)1台、小型EVバス2台を所有しています。名古屋営業所と知立営業所でEVバスの運行をしており、環境負荷を減らすためにさらなる導入を検討しています。


●EVタクシー・ハイヤーの導入(名鉄タクシーグループ)

名鉄タクシーグループでは、CO₂を排出しない電気自動車(EV)をタクシー車両として57台導入しています(2024年8月現在)。また、2024年7月には、名古屋交通圏では初めてBMW社のEV2台をハイヤー車両として導入しました。EVハイヤーを通じ、訪日外国人を含む富裕層への営業強化ならびに、環境問題に関心のあるお客さまへの対応を進めていきます。


●EVトラックの導入(名鉄運輸グループ)

名鉄運輸グループでは、電気小型トラック「eCanter」を計19台稼働させています(2024年6月現在)。環境への負担軽減に加えて、従来のディーゼル車と比較して騒音がなく、振動も少ないため、ドライバーの疲労軽減にも寄与しています。


CO2フリー電力の導入(名古屋鉄道、名鉄都市開発、岐阜グランドホテル、岐阜観光索道)

当社グループでは、2030年度の脱炭素目標に向けて、電力使用時にCO₂を排出しない「CO₂フリー電気」の導入を進めています。名古屋鉄道のミヤコ地下街のほか、名鉄都市開発のメイフィス名駅ビルや岐阜グランドホテル、岐阜観光索道でCO₂フリー電気を導入し、排出量削減に取り組んでいます。
岐阜観光索道では、2024年から「ぎふ金華山ロープウェー」の運行や付帯する全ての施設で使用する電気の全量について、中部電力ミライズが提供するCO₂フリー電気「Green でんき」に切り替えました。これにより、CO₂削減効果は年間で約147.5t-CO₂になる見込みです。

インターナルカーボンプライシングの導入(名鉄グループ)

当社グループでは連結子会社全社および名古屋鉄道鉄軌道事業において、2030年度を目標年度とするCO₂削減目標を設定していますが、2023年度以降の現行計画ではいずれも未達が想定されており、削減取り組みを加速させる必要があります。また、将来的には炭素税の本格導入が想定されており、コスト増加を抑制する仕組みの構築が必要です。
これらの背景を踏まえ、当社グループではCO₂削減目標達成のための手段として、省エネや再エネの設備投資を促進するために2024年度からインターナルカーボンプライシング制度を5,000円/t-CO₂として導入しています。

その他の取り組み(名古屋鉄道)

当社では、カーボンニュートラル目標の達成に向け、各事業所で取り組んでいます。

  • 氷蓄熱空調機による空調システムの導入(上小田井電気指令所、名鉄新一宮ビル)
  • コジェネレーションシステムの導入(新一宮ビル)
  • 変電所に力率改善コンデンサーの設定
  • 太陽熱温水器の設置(舞木検査場、犬山検査場、豊明検査場)

サーキュラーエコノミーに関する取り組み

ペットボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」(名古屋鉄道)

当社はサントリーグループと協働し、名鉄名古屋駅および金山駅において、駅の利用者が飲み終えたペットボトルを回収して、新たなペットボトルに生まれ変わらせる水平リサイクル「ボトルtoボトル」の取り組みを進めています。年間あたり約34トン※のペットボトルを水平リサイクルにより循環利用します。
※名鉄名古屋駅約21トン、金山駅約12トン(2022年度実績)


食品ロス削減の取り組み「mottECO(モッテコ)

(ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋・名鉄グランドホテル・名鉄トヨタホテル)

ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋、名鉄グランドホテル、名鉄トヨタホテルの3施設は、2024年2月より食品ロス削減の取り組みとして『mottECO』を開始しました(※5月1日~10月31日までは衛生管理上休止)。
mottECOは、ホテルの宴会場やレストランでの食べ残しをご希望に応じ、環境に配慮した認証製紙を使用した容器にてお客さまにご自身の責任でお持ち帰りいただく取り組みです。お客さまご自身の責任でお持ち帰りいただくことにより、食品ロスを削減するとともに、食べ残しを持ち帰る文化の普及と啓発を進めています。
名鉄ホテルグループではほかにも、宴会時の食品ロスを減らすためのキャンペーン「3010運動」や、家庭で余っている食品を集めて食品を必要としている地域、団体に寄付する「フードドライブ活動」も展開しています。
※『mottECO』:外食時の食べ残しを持ち帰るという、環境省が推奨する食品ロス削減アクション


その他の取り組み(名古屋鉄道)

  • 使用済み乗車券の再利用(名刺、封筒、トイレットペーパー、ベンチなど)
  • ミス・コピー用紙の分別回収・再生紙化
  • 使用済蛍光灯の再資源化(水銀、アルミ、ガラス)

乗車券のリサイクルベンチ


生物多様性に関する取り組み

新穂高ロープウェイでの高山植物保護や教育活動(奥飛観光開発)

新穂高ロープウェイでは、「すぐれた自然を守り、後世に伝えていく」という国立公園の目的・役割を踏まえ、高山植物の保護活動や、小学生を対象にした環境保護を学ぶ講座などを開いています。
2024年10月にグランドオープンを迎えた「頂の森」の工事では、工事エリアに植生していた在来の高山植物を工事エリア外の安全な場所に植え替えました。また、地元高山市の小学生を対象にした自然を育む活動では、鍋平高原を散策しながら中部山岳国立公園の自然について解説しました。
今後も新穂高ロープウェイ周辺の生物多様性を守るため、地域の皆さまとともに継続的な環境保全活動に取り組んでまいります。


汚染防止に関する取り組み

当社グループは、グループ事業活動を通じて環境に与える影響を認識し、環境法令を遵守を徹底すると共に、環境問題への対応に積極的に取り組んでいます。

水質汚染対策(名古屋グループ)

  • 排水基準値の遵守(検査場、レジャー施設など)
  • 汚水発生が一切ないドライアイス洗浄機の導入(舞木検査場)

大気汚染対策(名古屋グループ)

  • 地域冷暖房システムの導入による脱フロン化(名駅南地区)
  • 消火設備の脱フロン化(変電所、地下駅電気室)
  • 車両搭載クーラー冷媒の早期代替フロン化
  • 塗装作業のフィルターによる完全浄化