女性社員座談会

※取材当時の情報を記載(2016年11月時点)

名古屋鉄道では今、ますます多くの女性が活躍している中で、どんなふうに働き、また、結婚や子育てなどプライベートとの両立をどのように図っているのでしょうか。若手社員も気になる実情を、女性社員の座談会で語ってもらいました。

経済学部卒/2001年入社
人事部 人材開発担当

太田 里奈

9歳と5歳の二児の子育てをしながら勤務。「人事部で社員の人材育成・女性活躍推進を担当しています。」

教育学部卒/2001年入社(中途採用)
不動産事業本部 開発部 営業推進課

大竹 麻衣子

4歳と1歳の二児の母。現在、産休・育休中(2016年11月時点)。「名古屋鉄道も、女性が働きやすい環境が十分に整いつつあると思います。」

発達科学部卒/2013年入社
人事部 グループ人事担当

野田 あゆ子

社員の退職金の管理などを行う。「以前はグループ会社に出向していました。人事部での業務は初めてのことばかりなので、日々勉強です。」

政策科学部卒/2016年入社
神宮前乗務区

上水流 彩佳

研修の一環として車掌業務に取り組む。「名古屋鉄道の根幹に関わる仕事に関わり、日々気持ちが引き締まる思いです。」

産休・育休中だからわかることがある。
職場に復帰する日まで、
焦らず子育てを楽しむことがキャリアにつながる。

鉄道会社などの交通・インフラ業界には「女性社員が少ない」という印象がありますが、それは当社でも同じですね。

たしかに、名古屋鉄道で女性社員が占める割合はまだまだ低いのが現状ですが、今後少子高齢化が進んで人口減少が避けられない今、女性の採用を増やして力を発揮できる職場環境を整えることは、必然と言えます。

人事部で太田さんが担当している「女性活躍推進」は、そのための取り組みなんですね。結婚や出産・育児が壁にならずに女性が仕事を続けられる環境があるって、大事なことですよね。

私は現在2度目の産休・育休中ですが、2017年4月に職場復帰の予定です。子育てしていると時間がゆっくり流れるように感じることが多く働いている時とあまりにも環境が違いすぎて、ふと、「このままで本当に職場復帰できるのかな?」と自問自答することもありますが・・・。

太田さんはお子さんが2人いらっしゃいますよね。産休・育休中は、大竹さんと同じように感じていたんですか?

9歳になる上の子を出産したとき、私は新入社員研修を担当していて、出産後2か月で職場に復帰しました。もちろん産休・育休の制度はありましたが、「休んだら居場所が無くなるのでは」という不安な気持ちに従ったという感じです。2人目を出産したときは、約10か月の休みを取りました。

産休・育休中に思ったのは、「子育てって楽しい」ということでした。大竹さんが「職場復帰できるのかな」と言っていましたが、心配することはないと思います。むしろ、産休・育休中は、平日のお昼に家にいるお母さんたちの過ごし方や、平日の昼間のスーパーの雰囲気や人の動きなど、働いていてはわからないことを知る貴重な時間でもあるからです。

名古屋鉄道は、沿線に暮らす人たちの生活に密着したサービスを提供する会社です。140社ものグループ会社があるわけですから、産休・育休中の体験は必ず役に立つと思います。だから大竹さんも焦らずに、今の状況を楽しんでくださいね。

子どもの小学校進学を機に学童保育事業を立ち上げ。
子育ての経験が新規事業進出につながる社風。

太田さんは学童保育事業(「学童保育アスキッズ」)を立ち上げたとお聞きしていますが、どんな経緯で立ち上げることになったのですか?

レジャー施設などを運営するグループ会社・名鉄インプレスに私が出向していたときのことです。上の子がいよいよ小学生になるという頃、学校が終わってから預かってもらえる理想的な場所がなく、「困った」と思いました。私だけでなく、多くの働くママが、この問題に直面しているのです。そこで思い立ったのが、民間学童保育の立ち上げです。

子どもの習い事の送り迎えが土日に集中するということも、私自身の悩みでもありました。名鉄インプレスではカルチャースクールを運営していたので、そことドッキングさせればユニークな施設ができると考えました。そうして企画書と事業計画書を作成して会社に提案したところ、会社が「やってみろ!」とチャンスを与えてくれました。

すごいバイタリティですね!

バイタリティというか、やると決まってから必死でしたよ。事業の立ち上げの際はもちろん、実際に稼働してからも、いろいろな課題が出てくるし、トラブルが起こったりするわけです。夜間にお客さまの所に行って話をしなければならないこともあり、そんなときは職場の人に子守をお願いしたこともありました。

ゼロから新しいことを始めるのはとてつもなく大変でしたが、チャレンジさせてもらえる社風と、協力してくれる仲間たちのおかげで、私のアイデアが形になったと感じています。

女性の感性というか、女性だからわかることが仕事の種になるということを、実践しているのはすごいことですよね。

産休・育休中のことや子育ての経験が、仕事に実際に活かされるというのは魅力的ですね。

学童保育を立ち上げる際は、共働きのお母さんたちに共感してもらえることってどんなことだろうと考えました。今、人事部で人材育成の仕事をしておりますが、「共感力」って、男性よりも女性のほうがあるような気がしますね。強みというか、女性ならではの感性かなと思います。

私は、ベビーカーを押して街に出ると、階段が多くて危ないとか、道に放置自転車があって通れなくて困るとか、さまざまな不便を感じます。太田さんの話を聞いて、こうしたことを仕事の種にすることで、私だからできる仕事につながってくるんですよね。

そう考えると、産休・育休をキャリアの中断としてマイナスにとらえるのではなく、自分の幅を広げるいい経験ととらえることができますよね。今の経験を仕事に活かしていけたら、すごく素敵だと思います。

大竹さんは、産休・育休を取る前はどんな仕事をしていたのですか?

私は不動産事業で、駅などのテナント誘致や集客イベントなどを担当していました。1回目の産休・育休復帰後は、金山駅の立ち上げや岩倉駅のショップを手がけたりもしました。とても面白い仕事で、やりがいを感じていました。テナント誘致や集客イベントの企画を考えるときは、駅周辺の人の流れや、何が売れるのかといったリサーチをするんです。私は東京出身で結婚を機に名古屋に来たので、実は東海地方の暮らしぶりのことはあまり知らないこともあったのですが、リサーチをしたことで名鉄沿線のことがいろいろ学べて勉強になりました。

面白くてやりがいを感じていたからこそ、「休んだことでキャリアが中断されると困る」と不安になったのでしょうね。

そうですよね。野田さん、上水流さんはどんな仕事をしていますか?

私は、人事部で退職金の管理を担当しています。退職金を通じて会社の制度に詳しくなるなど、知らなかったことを知る面白さを感じています。

私は今研修中で、神宮前乗務区で車掌をしています。名鉄の一利用者という立場でしか物事を考えられなかった私が、日々の勤務を通じて、お客さまのことを第一に考えて行動できるようになりました。また、電車を動かすにはいろいろなルールがあり、たくさんの人が携わっていることを知りました。当社の根幹となる鉄道事業に携われる貴重な体験をしていると実感しています。

確実に変化を遂げる会社。
だから、長く安心して働ける。

今まで以上に女性が働きやすい職場になるよう改善すべきことって、どんなことがあると思いますか?

法的な観点での環境は整ったと思います。2016年4月からは、子どもが3歳までの時短勤務も導入されましたし。でも、実際に子育てしていて感じるのは、時短勤務の期間や必要なタイミングは、人によって違うんじゃないかなということ。改善というより、個別対応ができるような仕組みを整備する必要があることを実感しています。

子育てを経験しているからこそ柔軟な仕組みが必要と考え、整備に乗り出してくださるというのは、私たちにとっては心強いです。

たしかに整備は進んでいると感じます。ところが、ママ友の話を聞くともっと進んでいる会社もたくさんあって、「うちの会社は進んでいると思っていたけど、上には上がある」と驚くほどです。でも、少しずつですが確実に進化しているのは事実で、そこが名古屋鉄道が信頼できる会社だと思う理由でもあります。

それから、これは女性の働きやすさとはちょっと違う話になりますが、例えば「駅にエレベーターをつけてほしい」という要望が寄せられたとします。必要なことはわかっているけど、予算とかいろんな事情があってすぐにはできないことも多いでしょう。すぐに対応はできないけど、名鉄の駅員は、エレベーターがなくて困っているお年寄りを見たら手を支えたり、さりげなく荷物を持ってあげたりするんです。名鉄って、そんな心遣いのできる人がそろっているんですよね。そんな光景を見るたびに「良い会社だな」と実感します。制度やハード面だけでなく、相手への心遣いで成長してきた会社なのだと思います。

女性の働きやすい環境整備だけでなく、これからは介護などの問題も出てくることが予想されています。男女だけでなく、誰でも長く働き続けられる環境を整備しなければならないと考えていますし、そのためにもまずは女性の働きやすい環境整備にしっかり取り組まないといけないと感じています。これからも人事部として、女性のいち先輩として、アイデアを出し、形に変えていきたいと思っています。

仕事もプライベートも輝く。
それが名古屋鉄道で描く将来と目標。

将来、私も太田さんや大竹さんのようにプライベートと仕事を両立させながら、女性の感性を活かして仕事をしたいと思っています。以前、リトルワールドに出向していたときに、女性目線で企画を立ててお客さまに喜んでいただけた体験が心に残っています。ですから将来は、女性ならでは、私ならではのできることを増やし、さまざまな経験を積みたいと思っています。だからこそ、子育てや介護などをしながらでも働きやすい環境整備に期待しています。

私もジョブローテーションでいろいろな体験をしたいと思っています。異動になった先で「あなたがいてくれて良かった」と言ってもらえる仕事をしたいです。そして、プライベートと仕事を両立させて、その体験から得られたモノやコトを仕事に活かしたいと思っています。

私の場合、今は子育てに追われているので、目の前のことで精一杯というのが正直なところです。ですから今の目標は、産休・育休を終えて、無事に職場に復帰することかな。名古屋鉄道は地域に貢献する会社ですから、会社で働くことは地域に貢献することとイコールだと思います。大船に乗った気持ちで、目の前のことを精一杯やろうと思っています。

私もまだまだ子育て真っ最中なので、大竹さんの気持ちがよくわかります。学童保育事業を立ち上げたとき、多くのお客さまから感謝していただき、かつ支えられ、働くことの喜びを心から実感しました。ですから、これからも一つでも多く、人に「ありがとう」と言ってもらえるような仕事をしたい。それが私の目標です。

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