株式会社ワイマーケット

名鉄と クラフトビールがコラボ! 異色のタッグの理由は?

名古屋鉄道の広報部ブランディング担当は、ノベルティのひとつとして、「名鉄×WAO!オリジナルラベルビール」(非売品)を制作しています。
名鉄グループ経営ビジョンスローガン「名鉄×WAO!」をグループ内外の方々に知ってもらいたい――。CMやポスター以外にも、何か他に方法はないだろうか――。そう考えた結果、生まれたのが「名鉄×WAO!オリジナルラベルビールを制作する」というアイデアでした。実際に手に取って、飲んで、体験してもらうことで、「名鉄×WAO!」をより身近に感じてほしかったのです。
夏のある日、名鉄×WAO!オリジナルラベルビールの制作にご協力いただいたワイマーケット(本社:名古屋市中村区名駅)の醸造所のひとつ、ワイマーケットブルーイング名古屋西(同市西区木前町)を、広報部ブランディング担当の苧坂さんが訪れました。

山本 康弘
(やまもと やすひろ)

1974年生まれ、名駅生まれ名駅育ち。
1935年創業の老舗酒店「酒の岡田屋」(名古屋市中村区名駅)の3代目。
名古屋市内で初のクラフトビール醸造所・ワイマーケットブルーイングを立ち上げ、
2014年から柳橋で醸造をしている。「ワイマーケット」の名前の由来は、名古屋駅前で
明治時代から続く市民の台所「柳橋中央卸売市場」。「故郷である柳橋、
名古屋がいつまでも活気あるまちであってほしい」という想いを込めて命名した

苧坂 碧
(おさか あおい)

名古屋市育ち。2019年名古屋鉄道入社。
2025年4月に、名鉄グループ理念体系の浸透やブランドイメージの構築を担う
広報部ブランディング担当に着任。名鉄×WAO!オリジナルラベルビールの制作担当者。
ワイマーケットのビールは大学時代から愛飲していた。自称名鉄イチのビール好き

名古屋鉄道広報部ブランディング担当 苧坂(以下苧坂):ワイマーケットさんの山本社長にお話を伺います。名鉄×WAO!オリジナルラベルビールの制作では大変お世話になりました。きょうもどうぞよろしくお願いします!
ワイマーケット 山本社長(以下山本社長):よろしくお願いします。

「根拠のない自信」
挑戦したから今がある

「酒の岡田屋」3代目と
クラフトビールの出会い

苧坂:山本社長は、初めてクラフトビールを飲んだときのことって覚えていますか。
山本社長:僕がクラフトビールに出会ったのは2010年くらい。本当にびっくりしたのを覚えていますよ。おいしいよりもびっくりする方が強かった。
それからクラフトビールをいろいろ飲み始めたら、どれも味が違って面白くなっちゃって。で、岡田屋でクラフトビールを仕入れるようになって、気づいたら造る側になっていました(笑)。

名鉄×WAO!オリジナルラベルビールのデザインは苧坂さんこだわり。「名鉄×WAO!」の赤と青をモチーフにし、よく見ると線路がデザインされている。中身は、ワイマーケットの定番商品のひとつである「パープルスカイペールエール」

「クラフトビールって何?」
売れなかった時代

苧坂:岡田屋さんでクラフトビールの取り扱いを始めた2010年ごろって、クラフトビールの知名度はあったんですか。
山本社長:コアなファン以外は、誰もクラフトビールなんて知らなかったころです。「普通のビールと何が違うの」って感じでしたね。全然売れなかったんですよ、びっくりするぐらい。
苧坂:それでも諦めなかったのは、何が原動力だったんですか。
山本社長:なんででしょうね(笑)。日本のビールの業界って大手4社しかなくて、日本人はそれしか知らない。
でも、日本酒なら全国に600蔵くらいある。ビールってみんなが1番飲むお酒なのに、造っているのが4社だけって絶対、おかしいじゃないですか。
っていう中で、自分はクラフトビールに感動してるし、絶対どっかで盛り上がるはずだ、っていう根拠のない自信があったんです。

「一杯のビールにいっぱいの
感動を!!」に込めた思い

苧坂:そのときの「感動」が、「一杯のビールにいっぱいの感動を!!」というワイマーケットさんのコンセプトにつながっているんですね。
山本社長:そうそう。うちのビールがどうこうっていう前に、クラフトビールに出会ってはまっちゃったんです。それがもう感動したってことですよね。自分が味わった感動を、お客さまにも味わってもらいたいんです。

ワイマーケットは、柳橋中央卸売市場近くで2014年にビール醸造を始めた。人気が出過ぎて生産が追い付かなくなり、2018年には2つ目の醸造所「ワイマーケットブルーイング名古屋西」を開設。「名古屋発のクラフトビール」にこだわり、「ぎりぎり名古屋市内」(山本社長)という立地にある=名古屋市西区木前町で

「やれんじゃない?」
名古屋初の醸造所の誕生

山本社長:クラフトビールの製造現場に行くと、小さいところでビールを造っていたりする。酒屋をやってるから日本酒とか焼酎の蔵にも行くけど、そこに比べるとむっちゃコンパクトなんです。で、「これならやれんじゃない?」って思ったんです。
酒屋だから仕入れて売ることしかやってきてない。やっぱり製造とか、流通の川上にいることに憧れがありました。
苧坂:名駅徒歩圏内にビール醸造所があるって、なかなか思わないですよね。
山本社長:ワクワクするし、「え?」ってなるでしょ。
苧坂:そういう挑戦をする姿勢って、私たちも見習わなきゃいけないなって思います。失敗への恐怖はないんですか。
山本社長:恐怖しかないですね(笑)。ワクワクもありますけど、やっぱり怖い。でも、やりたかったんですよね。
苧坂:山本社長が挑戦してくれたことで、私たちが名古屋で気軽にクラフトビールを飲めることに感謝したいです。

ワイマーケットブルーイング名古屋西は、ピンク色の外壁が目印。工場併設のタップルームがあり、土日限定で醸造所スタッフが樽生ビールを提供している

「名鉄×WAO!」と
地域社会への想い

「巨人だった」
地元民から見た名鉄グループ

苧坂:山本社長はこれまで名鉄グループにどんな印象を持っていましたか。
山本社長:僕は名駅育ちで、ナナちゃん人形の1歳後輩なんですけど、なんなら名鉄とともに人生を歩んでいるわけですよ。幼少の記憶で言えば、名鉄は間違いなく「巨人」でしたね。
だけど、だんだん世界が広がっていくと、「あれ?名鉄って巨人だったんだけどな」っていうのがあった。イケてた名鉄さんが、もったいない時期に突入した、って気はちょっとしてて。
苧坂:耳が痛いですね……。山本社長を始め、地域の方の「憧れ」につながる存在になれるように、もっと頑張りたいです。
山本社長:でも最近は「頑張ってるなぁ」って思うことがよくありますよ。ただ、やっぱり堅い。名鉄さんだけじゃなくて、名古屋気質なんだと思うけど。

「名古屋は新しいものがなかなか生まれない。すごくもったいないと思う」と語る山本社長

苧坂:名鉄グループは、「名鉄×WAO!」をグループ経営ビジョンスローガンとして掲げ、変わろうとしています。変わってきたなと思うことってありますか。
山本社長:この1年とかでどう変わったかとかは僕には分かんない。でも、頑張ってほしいですよね。「巨人」なんだから。
名鉄グループ全体でみたら、むちゃむちゃ何でもできると思うけど。持ってるわけじゃないですか、いろんな可能性を。事業領域も広い。うらやましいくらいですよ。
苧坂:そうですよね。「何ができるか」を考えるんじゃなくって、「名鉄グループが何をやったら面白いか、ワクワクするか」を考えてみないといけないですよね。もっと新しい価値を生む努力ができるのではないかと、ハッとさせられました。
山本社長:こじんまりしちゃうじゃん、現実になると。「おもろない?」くらいから始めちゃえばいい。名鉄は本気だなって思わせるようなことをしてほしいですよね。

ワイマーケットブルーイング名古屋西のビールタップハンドルは、遊び心抜群のエビフライデザインになっている

想いを同じくする企業同士

苧坂:この名鉄×WAO!オリジナルラベルビールも、「名鉄×WAO!」をグループ内外の方々に知ってもらおうっていう仕掛けのひとつなんです。
山本社長:そうなんですね。声をかけてもらってうれしいです。
苧坂:ワイマーケットさんは「名古屋発のビール」にこだわり、「一杯のビールにいっぱいの感動を!!」というコンセプトを掲げていらっしゃいます。地元の企業さんが、言葉は違えど、「名鉄×WAO!」と同じような想いを持っている。驚き、感動を地域に提供したいと思っている――。そういう想いを共有している方たちと一緒にお仕事をしたくって。ぜひ御社とやりたかったんです。
山本社長:めっちゃ熱いですね、ありがとうございます(笑)。一緒にやれて、いい縁をもらったと思ってますよ。

「想いを同じくする会社と一緒に仕事をしたかった」と語る苧坂さん

地域を想い、挑戦する 
名鉄とワイマーケット

クラフトビールを
「当たり前の存在」に

苧坂:最後に、今後のワイマーケットさんの挑戦についてお伺いしたいです。
山本社長:とにかく、もっといろんな方に楽しんでいただきたいと思ってます。クラフトビールっていうのが、クラフトビールじゃない日、当たり前になる日が来るといいなって。
僕たちは、名古屋発のクラフトビールを日本だけでなく海外にも発信していきたいし、ビールだけじゃなく、ノンアルコールビールっていうアプローチもあるかもしれない。とにかくいろんな可能性を模索し、挑戦していきたいと思ってます。
苧坂:クラフトビールが「当たり前の存在」になるっていうのは、どういったイメージですか。私の中では、ご褒美に飲むイメージでした。
山本社長:もちろんそれもあると思いますし、楽しい時もしんどい時も、ビール飲もってなったとき、当たり前の選択肢になれたらなって。
あと、これからも「名古屋発」っていう軸はぶらさないですね。そこはこだわりがあるんです。僕にとっては名古屋がふるさとだし、生まれ育った柳橋のまちが少しでもにぎわって、名古屋全体も盛り上がったらうれしい。

ワイマーケットブルーイング名古屋西のタップルーム内の様子

新しい価値提供に向け、
進化し続ける

苧坂:山本社長にお伺いした地域を想い、お客さまを想って挑戦を続ける姿勢は、私たち名鉄グループも一緒ですし、見習っていきたいです。
山本社長:僕は本当に、挑戦を続けないと意味がないなと思ってて。最初はみんな挑戦したから、いまの地位に立っているわけじゃないですか。だけど、どこかで守りに入るとか、そういう時期、当然来ると思うんですけど、それは良くないなと。
周りの人も常に進化していくわけじゃないですか。それに追いついていかないとね。挑戦を続けるのは大変だけど。
苧坂:大変でも、続けることに意味があるということですね。
山本社長:そうそう。視野を広く、挑戦しないとね。まずはナナちゃん人形を名古屋城に連れてってみたらどう(笑)。
苧坂:それもワクワクしますね! やりたいことはいっぱいあります。これからも地域の皆さまの期待を超えるワクワクを提供できるように頑張ります! きょうは本当にありがとうございました。

対談を終えて

ワイマーケット山本社長ひとこと

ワイマーケットは、名古屋駅前・柳橋の地でクラフトビール醸造をする都市型ブルワリーです。お客さまに「一杯のビールにいっぱいの感動を!!」をお届けすることをコンセプトに、名古屋発のクラフトビールの魅力・可能性をお届けしていきます。ぜひ、私たちのレストランやイベントにお越しください!

担当者ひとこと

今回、大好きなワイマーケットさんと一緒に仕事ができたこと、本当にうれしく思います!
私が広報部ブランディング担当に異動したのは、今年4月です。配属になって、「あなたは名鉄×WAO!をグループ従業員3万人に広めるんだよ」って言われて。どうすればいいか悩んだ時期もありました。
今回、名鉄グループとワイマーケットさんが同じ想いを持っていることに気づかされ、励みになりました。この名鉄×WAO!オリジナルラベルビールが、名鉄グループ内外の方にとって「名鉄×WAO!」を広く知っていただくきっかけとなることを願っています。
これからの名鉄グループにご期待ください!

株式会社ワイマーケット

住所

〒450-0002
名古屋市中村区名駅4-16-19

  • 創業年:2012年
  • 事業内容:ビールの醸造、レストラン経営
  • 代表取締役:山本康弘
  • 年間ビール醸造量:350キロリットル
  • 従業員数:88名
  • 店舗数:愛知県、岐阜県に計8店舗
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名鉄×WAO!って何?「名鉄×WAO!」は、名鉄グループの経営ビジョン私たちは、信頼の源泉となる「安全」を基盤として、「驚き」から「感動」、そして「憧れ」につながる名鉄グループならではの価値を提供し続けますを一言で表現したスローガンです。その根底にあるのは、従業員の「地域や社会に貢献したい」「お客さまにもっと喜んでもらいたい」という「想い」です。「名鉄×WAO!」は、こうした「想い」を起点として、誰よりも地域の人々の想いや社会課題に応え、期待や想像を超える価値を提供し、豊かな地域・社会を実現すること、その決意や取り組みそのものを表す合言葉でもあります。私たちはこれからもひとりひとりの「想い」を胸に、「名鉄×WAO!」が溢れる地域や社会を目指して参ります。