テレビCMで
紹介!
本物の価値を残し伝え明治時代の人々の想いを後世に繋げていく
豊鉄グループ
赤川 景子さん[総務部 保健師]
白井 良充さん[経営管理部](左から)
東三河を中心に、地域に根差した公共交通を担う豊橋鉄道グループ(以下豊鉄グループ)。地域の移動を支えるだけではなく、高齢化に伴う認知症患者の増加といった社会課題に積極的に向き合っています。
例えば、「バスの来ないバス停」の寄贈や、認知症に関する従業員研修。「豊鉄グループだったら、安心して外出できる」と言われるような公共交通を目指す――。そんな想いが、取り組みを支えています。
鉄道や路面電車、バス、タクシーといった公共交通として、お客さまの生活を支えてきた豊鉄グループ。地域と共に歩んだ歴史は100年を超え、これからは地域や社会と共創する「まちづくり」を目指しています。
豊鉄グループでは、高齢化社会に向き合い、独自の取り組みや社内研修に力を入れています。豊鉄バスの白井さんは「運転免許を返納された方にとって、バスや電車といった公共交通は、なくてはならない移動手段です。高齢者の足を支えるインフラとしての役割を意識しています」と話します。
「豊鉄グループが地域の高齢者を支える先頭に立っているということを、従業員にも伝えていきたい」と語る豊鉄バスの白井さん
高齢化の進行に伴い、認知症を患う方が増加。2040年には全国で最大953万人、愛知県でも最大54.6万人に達すると見込まれています※。豊鉄グループでは、増え続ける認知症患者と介護者を支えようと、「バスの来ないバス停」の設置に取り組んでいます。
愛知県「第9期愛知県高齢者福祉保健医療計画」より
使わなくなった本物のバス停を再利用。時刻表も用意して施設に設置します
「バスの来ないバス停」は、認知症の方の帰宅願望や不安感を緩和するため、グループホームなどの施設に使わなくなったバス停を設置する取り組み。豊鉄グループは、愛知県認知症グループホーム連絡協議会東三河ブロックや豊橋市内の認知症地域支援推進員と協力し、2022年から寄贈を始めました。これまでに東三河のグループホームなど13か所に「バスの来ないバス停」を設置しています。
豊橋鉄道の赤川さんは、「寄贈先の施設からは、バス停でバスを待つという行動によって、『帰りたいという気持ちを受け入れてもらえた』という肯定感から、認知症の方の帰宅したい気持ちが和らぐケースが多いという報告をいただいています。さらに、職員の方の介護負担軽減にもつながっているそうです。『バスの来ないバス停』はドイツが発祥で、ドイツでは『バスの来ないバス停』の設置を『Notlüge(ノートゥルーゲ)(罪のないうそ)』と表現するそうです。『優しいうそ』と呼ぶ職員の方もいます」と取り組みの意義を語ります。
「研修を受けた従業員が、道に迷った認知症の高齢者を交番にお連れし、ご家族と再会するお手伝いをしました。そういうエピソードを聞くとうれしいです」と語る豊橋鉄道の赤川さん
豊橋鉄道では、全従業員を対象にした認知症研修も実施しています。「認知症サポーター養成講座」と、愛知県が開発した「ONEアクション研修」を組み合わせた内容で、従業員が認知症への理解を深めるとともに、認知症の方への適切な対応を学ぶ機会を作っています。
認知症に関する知識を学ぶだけでなく、ロールプレイを通して実際に対応できる力を身につけています。
2021年から継続している研修について「1回の研修だけでは、意識は変えられません。少人数で何度も繰り返すことが肝心」だと、赤川さんは語ります。
「終点なのに降りない高齢のお客さま、切符の買い方が分からないお客さまがいたときに、『困った人だな』と思うか、『もしかしたらあの人は認知症かも』と思えるかでは、対応が変わります。研修の大切さ、学ぶことの大切さを感じます」と赤川さん。
従業員一人ひとりが認知症を学ぶことで、日々のサービス向上にもつながっています。
「将来的には、東三河だけではなく他の地域にも『バスの来ないバス停』が広がり、認知症の方に優しいまちづくりが進むことを願っています」と語る赤川さん。赤川さんの言葉通り、「バスの来ないバス停」は名鉄バスでも実施するなど、社会に広がり始めています。
「『バスの来ないバス停』の寄贈を始めたときは、ここまで地域の皆さんに喜ばれ、感謝されると思っていませんでした。当社グループがこの地域のためにできることをこれからも続けていきたいです」と白井さん。
認知症の方に優しい公共交通は、老若男女、誰にでも優しいまちづくりにつながります。赤川さんは「『豊鉄の電車やバス、タクシーがあるから、誰でも安心して外出できる』と言ってもらえるような地域にしたいです」と今後について語ります。
「日常生活でも認知症と思われる方を見かけたときに、自然と気にかけるようになった」という赤川さんと白井さん
地域の方々の想いに寄り添い、「誰にでも優しい公共交通」で地域や社会の未来を切り拓いていく豊橋鉄道グループは、まさに「名鉄×WAO!」の一例です。